『おしっこちょっぴりもれたろう』が想像以上に深かった

5歳育児

うちの長女(5歳)は、2週間に1回、こども園から絵本を借りて帰ってきます。
毎回、自分で選んでくるみたいなんですが――これがまた絶妙で。

私の好みを分かってるんじゃないかってレベルで、毎回ツボを突いてくる(笑)。
本人は完全にノリとインスピレーションで選んでると思うけど。
母は内心「今回は何かな〜」と密かに楽しみにしてたりします。

で、先週末に持ち帰ったのが……
『おしっこちょっぴりもれたろう』。

タイトルのインパクトたるや!
まさに“子どもが絶対好きなやつ”感、全開(笑)

しかも、作者はあの ヨシタケシンスケさん。
もう、読む前から「絶対これ面白いやつやん」って確信してました。

というのも、ヨシタケさんの絵本との出会いは長女が1歳のとき。
友達がプレゼントしてくれた1冊がきっかけで、そこから私自身がすっかりファンに。
もしかして、家にある絵本と絵が似てたから長女が選んだのかな…なんて思ったり。


「おしっこちょっぴりもれたろう」ってどんな本?

この絵本、タイトルこそおふざけ感たっぷりなんですが、
中身はすごくあたたかくて、じんわり考えさせられるんです。


★絵本の内容

主人公は、ちょっぴりおしっこがもれちゃう男の子「もれたろう」。
「またちょっぴり、もれちゃった…」としょんぼりする彼ですが、
「こんなこと、誰にも言えないし、僕だけが変なのかも…」と悩んでいます。

ところがある日、なんと!
他にもいろんな“ちょっぴり〇〇な人たち”がいることを知るのです。

例えば――

  • 靴下ちょっぴりぬげたろう
  • ちょっぴり歯に挟まったろう
  • シャツちょっぴりグチャたろう

などなど、どこか不完全なところのある人たちがたくさん登場します。

そのやりとりの中で、「ちょっとくらいなら、いいんじゃない?」という空気が生まれ、
“もれたろう”くんも「ぼくもだいじょうぶなんだ」と安心できるようになります。


★本質的なテーマ

①誰にでも「ちょっぴりもれている部分」はある
   → 完璧じゃないことは、恥ずかしいことじゃない

②自分の”ちょっとした困りごと”も、みんなに話してみるとラクになる
   → 隠すより、打ち明けることで安心できることもある

人と比べすぎず、”自分らしくてOK”と思える気持ち
   → 個性やちょっとした失敗も、肯定してあげよう


★子どもに伝えられること

「失敗しても大丈夫」ちょっとの失敗は、だれにでもあること。気にしすぎなくていいよ。
「人に話してもいい」困ったことは、一人で抱えなくていい。
「いろんな人がいる」自分とは違う“ちょっぴり”がある人たちがいる。だから、恥ずかしくないし、笑い合っていいんだよ。

この作品もヨシタケシンスケさんらしく、

  • ユーモアで包まれているけど、実は深い
  • 子どもの日常の“あるある”を拾い上げている
  • 大人が読んでも「ハッ」とさせられる

そんな1冊です。
「おしっこがちょっぴりもれる」なんて、すごく個人的で小さな悩みを、
“共感”という優しさでふんわり包んでくれる絵本です。

子どもは笑って、大人は泣きそうに

長女はというと――
当然「おしっこ」のワードに全振りで、読むたびにケラケラ笑ってましたけどね(汗)
……本質、感じ取ってくれたかなぁ……たぶん、まだ無理やな(笑)

でもまぁ、笑えるってことも立派な入り口!
そのうち、「あの本、実は深かったんやな」って思ってくれる日が来たら嬉しいな。

結局、大人の私の方がヨシタケワールドにどっぷり。
笑って、ちょっと泣けて、癒されて。
そんな休日でした。


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